2012年03月20日
2012年03月20日
「全体通所している子どもの『個別支援』についての覚書」
「全体通所している子どもの『個別支援』についての覚書」 この一年間を通して、全体通所している一年生のAくんと「個別の時間」をとったことは 正直な話一度もなかった。相談室で15分くらい話をしたり、オセロをやったということはもちろんあるが、 気がついてみると、一時間枠で「個別」という時間はとったことがなかった。 今から思えば、やはり定期的にとって、「二者関係」をもっともっと築きながらやっていけてなかったなあと 反省、また反省なのだった。 三月になってからも安定して通所していなかった。先週の金曜日に家庭訪問し、今週個別の時間をきちんと設定するので 「出てきいよ」と本人と話したら、昨日久々に通所していた。研究所の子どもたちは、そういうところがすごくけなげだなあと 思ったりする。午前のものづくり「ドラ焼き」の調理はやりたくないというので、10時から11時まで一時間枠で「個別」の時間を初めて とった。 内容は、私が家庭訪問での定番の一時間枠方式で、知恵の輪を一緒にやった後、その後オセロの三回勝負をした。 いつものAくんと違って、昨日は絶好調でよくしゃべってくれた。 特にオセロは強かった。 「ボクねぇ、なんでもやりだすと止まらなくなるがね。オセロでも将棋でもゲームでもそうなが。」 「そういうところあるよね。熱中するタイプやろ?」 「そうそう、コニヤンはどうなが?」 「そう、コニヤンもスイッチ入ったら似たところあるぜ。今年こんな個別きっちりとれんかってごめんぜ。 やはり、こんな時間をもっと早くきっちりとっちょったらよかったと思いゆうしね。」 「いや、気にせんでもかまんけどね。時にはとってくれたらうれしい。今日はテンション高いほうやきえいけど、 割とボクは上がり下がりが激しいき、テンションの低いときは、とってもらえたらえいかもしれんし、・・・。」 「オーケー、オーケー。でも、今日のAくん、テンション高いよなあ。こんなAくん、最近見たことないがやけんど。」 「今日はね、久しぶりに夜ぐっすり寝たとやと思う。最近ずっと朝寝てたから、昼夜逆転が続きよったしね。」 「そうながや。まあ、テニスとかキャッチボールとかの個別もやれるしね。それにAくん、後二年あるき、大丈夫やきね。 なんとか高校へ行けるような意欲や体力もつけていこうやね。」 「ボクは、なにせ体力ないきね。すぐに息切れするし、・・・。」 「卒業生がここできちんといい見本見せてくれたきね。Aくんも今年の三年生にずいぶんかわいがってもろうたろう?」 「そうやね。トランプとかゲームとかしょっちゅうやってもらったしね。一人ポツンとしよったら、腕相撲やるかえとか言うて くれたしね。」 「まあ、Aくんも四月からはや二年やしね。四月からどうするぜ?」 「そりゃあ、研究所に来るよ。」 「それがえいと思うぜ。ただしね、一つね、担任の先生とは今年みたいにいい関係を作っちょきよね。それすごく大事なことやきね。」 「わかった」 そんな話をしながらのオセロ。 一回戦は、私が完敗。 二回戦目は、Aくんに四隅をとられながらも、私はいつになく善戦。1つ差で32-31で負けた。惜しい。 ここまででたっぷりと一時間。 四月からの方向性も含めて、個別の時間にこうした「二者関係」をしっかりと築いていくことが全体支援の子どもたちであっても 必要なことだなとあらためて感じたことだった。 ややもすれば、最初の段階からすんなりと全体通所が可能な子どもたちにはこの個別支援をしていないと担当スタッフと子どもとの「二者関係」は なかなか築かれにくいのだということは、今年の教訓として覚書として書き残しておきたいと思った。 いまさらそんなことは当たり前のことだと言われるかもしれないが、やはりこのことを今の時期になって痛感している コニヤンなのであった。 ああ無情。 (文責:こにしゆたか/2012.3.20早朝・記)
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05:39
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